地震災害時における公助の役割について
防災 2025年3月定例議会

地震災害時における公助の役割について

能登半島地震を踏まえ、建築年による建物倒壊リスク・災害時の備蓄品・職員の非常配備体制・支援物資とボランティアの受け入れ体制について、行政がサポートする「公助」の現状を幅広く質問しました。

Background
質問の背景

令和6年に発生した「能登半島地震」で被災された方々、また岩手県大船渡市の大規模な山林火災により避難生活を続けておられる方々に、心よりお見舞いを申し上げます。

大きな災害が起きた際には、自分自身で身を守る「自助」・近隣同士で助け合う「共助」・行政がサポートする「公助」の三助が連携することで、効果的な災害対応が可能になるといわれています。本質問では、このうち「公助」に着目し、建築年による建物倒壊検証災害時の備品職員の非常配備体制支援物資とボランティアの受け入れの4点について、扶桑町の現状を幅広く質問しました。

Section 01
(1)建築年による建物倒壊検証について
片野たいが

令和6年11月1日、国土交通省より能登半島地震による建物の被害状況に関する中間報告書が公表され、石川県輪島市・珠洲市・穴水町の被害が大きい地区内にあった4,909棟の木造建築を対象に調査したところ、昭和56年以前の建物が3,408棟あり、このうち39.3%が大きな被害を受け、被害を受けなかった12.5%を大きく上回ったことが公表されました。

この公表から、昭和56年以前の建物に大きな被害が出ることが予想されます。

扶桑町内では昭和56年以前の家屋は何棟あり、どの地域に多いのかお聞きします。

町内にあります昭和56年以前建築の住宅につきましては、令和2年度に見直しを行った扶桑町耐震改修促進計画作成時に集計した結果、3,774棟あり、そのなかでも耐震性がないものと判断される住宅が2,598棟あることを確認しております。なお、この扶桑町耐震改修促進計画につきましては、令和7年度に計画の見直しを行う予定です。

耐震性の無い住宅は町内各所にありますが、昭和40年代に開発されたいわゆる住宅団地に多く集まっている傾向があります。

片野たいが

すでに町のほうでも昭和56年以前の木造家屋に着目し、ホームページ等で無料耐震診断の案内がされているとのことで、町民の皆さんにはきめ細やかなサービス提供だと思います。

地震災害に備えるため、昭和56年以前に建築された家屋の所有者に対する耐震診断を促す通知を送付されることは非常に重要だと思います。所有者の方が分かれば、直接ご案内の文書を出すなどされればより一層の安全対策となると考えますが、いかがでしょうか。

扶桑町で実施している無料耐震診断の周知につきましては、窓口にチラシを設置するとともに、広報5月号で関連記事を掲載、またホームページでも住民の方に向け周知しております。加えて、9月に実施される扶桑町の防災訓練では耐震関連ブースを設け、来場者に周知・案内をしております。

所有者へ直接周知することに関しては、現在実施しておらず、今後も実施は考えておりませんが、住民の方へ向け積極的に広報し、耐震診断・耐震改修の重要性をより一層促し、災害に強い街づくりに努めてまいります。

Section 02
(2)災害時の備品について
片野たいが

内閣府では「大規模地震の発生に伴う帰宅困難者等対策ガイドライン」の中で、企業についてですが備蓄品の量について3日分を目安としています。

まず、町が管理する備蓄品の明細についてお聞きします。

防災倉庫には、災害に備えてクラッカー、アルファ米、災害用飲料水、携帯トイレ、ラップ式トイレ、組み立て式トイレ、毛布、手指消毒液、フェイスシールド、救急箱、非接触型体温計、マスク、間仕切り段ボール、特設公衆電話用電話機、避難用テント、発電機、ガソリン缶、照明器具、コードリール、ブルーシート、サバイバルブランケット、生理用品、育児用ミルク、オムツ、使い捨て哺乳瓶などを備蓄しています。

片野たいが

それでは、何日分備蓄されているのかお聞きします。

備蓄している食料は、人口の約10%にあたる3,500人×3食×3日分の31,500食以上を目標に備蓄しています。

飲料水はペットボトルで合計1,515リットルを備蓄しており、2月26日に今年度契約した1基1,000リットルの組立式給水タンクを4小学校の備蓄倉庫に2基ずつ備蓄完了しています。簡易トイレは、令和5年度から今年度にかけて1袋5回分のものを世帯数とほぼ同じ合計15,000袋備蓄を完了しています。

片野たいが

ガイドライン通り3日分の備蓄がされているとのことで安心いたしました。先ほどお聞きした備蓄品の中に「発電機」があるとのことでした。発電機があれば災害時に電力を必要とする設備を稼働させることができますが、設置だけでは十分ではなく、定期的な点検やメンテナンス、そして誰が使うのかということが重要です。

発電機はどこに配置され、誰が責任をもって使われるのでしょうか。

発電機は、4小学校及び学習等供用施設に各1台整備しており、照明用に使用します。取り扱うのは、避難所を開設する職員又は地域の自主防災組織の方を想定しています。

また、令和7年度予算の小学校体育館空調設備設置事業において、4小学校の体育館にLPガスを燃料とする自立型ガスヒートポンプエアコンによる発電で稼働するLED照明・コンセントの工事を予定しています。

片野たいが

私も以前、発電機を使う機会がありましたが、日頃から使ったこともなく、指導を受けながらでもなかなかエンジンがかからなかった記憶があります。せっかく発電機が備え付けてあっても、うまく使いこなす人がいなければ意味がないと思いますので、実践的な訓練の実施をお願いします。

今回の質問にあたり我が家の備蓄品を確認したところ、飲料水3リットル、カップ麺、防災用おかゆ、クラッカー15食分ほど、太陽電池ライト、ラジオ、防災頭巾、ティッシュ、バスタオルなどが持ち出し用に備えてありました。

町民の皆さんは、何をどの程度備蓄すればいいのか。推奨されていればそれを教えてください。

災害に備えて、水は1人1日3リットルの飲料水が必要になり、最低3日分から7日分を用意することを推奨しております。ほかに炊事・洗濯・トイレなどに使う生活用水は、風呂のくみ置きなどでしのぐことも重要です。

食料品はそのままで、または簡単な調理で食べられる缶詰・レトルト食品・カップラーメンなど。普段から少し多めに買っておき、古いものから消費して消費した分を買い足しする「ローリングストック」で食品を備蓄するとよいと考えます。

そのほか、寝具、ビニール袋、新聞紙、キッチン用ラップ、卓上コンロ、トイレットペーパー、液体歯磨き、暖房器具、アルミブランケット、簡易トイレ、ブルーシート、予備のめがね、補聴器などが挙げられます。

Section 03
(3)職員の非常配備体制(組織体系)について
片野たいが

発電機は避難所を開設する職員の方が運転されると答弁いただきました。地震発生直後の初動対応は、被害を最小限に抑えるために非常に重要だと言われています。災害対策本部の設置に始まり各班員の参集、迅速な被害情報の収集、水道水・電力などライフラインの確保、被害状況に合わせた避難所の開設、緊急医療体制、住民への的確な情報提供、支援物資・ボランティア団体などの協力受け入れ体制の構築など、職員に的確な判断・対応が求められます。

扶桑町の非常配備体制について、災害対策本部、広報班、現地調査班、避難所対応班など各班名と構成人数について代表的なものをお聞きします。

扶桑町地域防災計画の第3編災害応急対策 第1章活動態勢の災害対策本部機構図において、災害対策本部に9部、22班体制で活動することになっており、災害対策本部には10名、調査班11名、地域協働班5名といった各班には関係する課などの人数で構成することになっています。

片野たいが

調査班など各班の構成は日ごろの業務に関係する課に割り振られているようです。

それでは、本部員、各班員への参集方法についてお聞きします。

愛知県西部に震度4の地震が発生したときには第1非常配備体制になり、原則災害対策本部が設置されます。各部の長及び各課、消防本部、水道部の少人数をもってあたり、状況によりさらに高度な配備体制に移行できる体制とします。

震度5弱の地震が発生したときには第2非常配備体制になり、災害対策本部を設置します。各課はそれぞれ所要の人数をもってあたり、事態の推移によりさらに第3非常配備体制に切り替えます。

震度5強以上の地震が発生したときには第3非常配備体制になり、災害対策本部を設置します。所要人員の全員をもって当たることになります。非常配備の呼び出し方法は、本部班からのひまわり情報安心メールや各部・各班でビジネスチャットツール、電話などを使います。

片野たいが

電子メールといったツールを使った連絡方法とのことですが、大きな災害時にはネット回線に障害が生じ、使えなくなるといったことも想定されます。その場合の対応についてお聞きします。

電話、ネットが不通の場合など、これまでに経験したことのない地震を感じ、かなりの被害の発生が予想される場合は、命令を待たずに各自最も適した交通手段により自主集合することになっています。

片野たいが

大きな災害時には各自最も適した交通手段により自主集合することになっているとの答弁ですが、電車が不通となったり道路が陥没して通行できなくなったりと、日頃の通勤方法では参集できない場合が想定されます。職員によっては徒歩で参集する者、自転車でないと参集できない者、30キロを超えれば自転車でもすぐには参集できないといったことが想定されます。

そういったことを想定し、徒歩、自転車、すぐには参集できない職員が何名いるかなどデータ化され、本部・各班配備完了までの参集時間が検証されているのかお聞きします。

職員について災害対策本部、班ごとのデータ化はしておりませんが、昨年度、職員参集訓練においてスマートフォンを使い時間を変えて2回実施したところ、午前6時の場合は30分以内29%、1時間以内34%で合計63%が参集できるとなっており、午後8時の場合は30分以内41%、1時間以内31%で合計72%が参集できるとなっています。

勤務時間外に地震が発生した場合、被害状況にも影響しますが、1時間以内に約6〜7割の職員が参集すると想定しています。また、2月22日の令和6年度災害対策訓練において、大規模地震が発生したことを想定し、災害対策本部員、各班員が消防署、消防団と連携し災害対応する訓練を行いました。

片野たいが

能登半島地震の際、NHKニュースでは「飲み水だけでなくトイレ、手洗いに使う水も不足している」といった報道がされていました。扶桑町の例規集には水道事業に関する取扱いはなく、「扶桑町災害対策本部条例」にも一部事務組合である水道事業に関して扶桑町長の独占的な指揮下に置かれる記述がないように理解をしました。大口町とも関わりのある水道事業です。

扶桑町、大口町から同時に救援要請があった場合どちらを優先するかといった非常に高度な判断が求められることになります。災害時の丹羽広域事務組合水道部の指揮権について確認させていただきます。

災害時に扶桑町災害対策本部を開設したときには、丹羽広域事務組合水道部から幹部職員が来庁し、災害対応することになります。このとき水道部は扶桑町と大口町の両方の災害対策本部に幹部職員を送ることになり、水道部長が水道部災害対策本部長として総括し、状況の確認、指示を行います。

Section 04
(4)支援物資・ボランティアの受け入れについて
片野たいが

兵庫県では、人的支援・物的支援・災害ボランティアの受入に関し留意点や課題、具体的な策定手順を示した「災害時応援受け入れガイドライン」が作成されているようです。物的支援の受け入れに関する留意点として保管スペースと進入経路に留意し物資集積・配送拠点を確保しておくなど5項目、災害ボランティア受け入れに関する留意点としてセンターの運営に必要な活動マニュアルを策定しておくなど5項目がまとめられています。

こうしたガイドラインの作成や、支援物資の品目・個数、ボランティアの人数などをデータ化することも不可欠だと思います。災害発生から早ければ翌日から支援物資が届く可能性があります。

どこで、誰が受け入れ、どこに保管し、避難民にどのような手段で誰が配布されるのかお聞きします。

県からプッシュ型輸送で配分される物資を受け入れる施設については、文化会館、中央公民館を指定しています。これらの施設は町のほぼまん中に位置しており、大型車により物資が輸送されてくることもあるため、荷捌きのスペースや駐車場の広さを考慮し、文化会館の舞台で保管し、各避難所へ配布を計画しています。

片野たいが

災害も少し落ちついてくると、がれきの撤去や分別、周辺清掃などで助けていただけるボランティアの方の受け入れ体制の構築も不可欠だと思います。

災害ボランティアの受付場所、配置はどのようになっているのかお聞きします。

扶桑町地域防災計画第3編災害応急対策の中に、ボランティアの受入について規定しており、町は扶桑町社会福祉協議会と共同して扶桑町総合福祉センター内に災害ボランティアセンターを速やかに設置することになっています。

2月8日、9日に総合福祉センターにおいて、町と扶桑町社会福祉協議会、防災連絡協議会に協力いただき地域防災リーダー・災害ボランティアコーディネーター養成講座を開催し、その中で災害ボランティアセンター立ち上げ訓練を実施しました。訓練の中で、ボランティア受付、活動紹介、活動オリエンテーション、資機材貸出、活動、資機材返却、報告書提出などを交代して実施しました。今後も災害が発生した場合に備えて、訓練などを実施していきたいと考えています。

Comment
まとめ・コメント
片野たいが

行政がサポートする「公助」についていろいろと確認をさせていただきました。

大きな災害時には自主集合とのことですが、職員個人の判断に任せるのではなく、たとえば震度5以上の揺れが数十秒続いた場合は、招集メールがなくとも決められた班員は登庁するといったルールを決められたほうが、より徹底が図られると考えます。登庁手段や時間についてはデータ化を行い、各班員についても居住地や参集までの時間を考慮して適切に確保できる体制とされてはと考えます。

全体的には、町長の安心安全に対する思いが各職員の方にしっかり浸透した災害対応がされていると感じました。防災科学技術研究所が公表する全国地震動予測地図をもとにした愛知県の地震危険度ランキングでは、扶桑町は69団体のうち59位と下位に位置しているようですが、かといって災害への備えはしっかり行わなければなりません。私も備蓄品や家具の転倒防止対策など、今一度点検してみたいと思います。